佐川さん家の美人妻

5/12
前へ
/150ページ
次へ
歩く事10分 「…ん?」 弥一が何かを発見した。 「何やってんだ?」 あのカツアゲした研修医がいた。 家と家の隙間を覗いている。 「おい!」 「!」 呼びかけると、そいつは驚いて逃げようとした。 「あ、おい待て!」 ダッ 「…。」 行ってしまった。 「なんだ?財布でも落としたのか?」 何かを捜しているようだった。 「変な奴。」 弥一は、借金している人の家へ向かった。 ドンドン! 「佐山さんー!お金返してくれませんかー!」 ドンドン! 弥一が扉を乱暴に叩いた。 「すいませーん。」 ガチャガチャ ドアノブを回すが、しっかり施錠されている。 人気はなく、中の電気も点いていない。 ドンドン!!! 「いい加減お金を返してくれませんか?」 弥一がドスの聞いた声で言う。 だが、反応はない。 本当に留守なのか。 「明日また来ますねー。いつまでも逃げられると思わないで下さいねー。」 弥一がそう言って、アパートを後にした。 「…ふう…。」 弥一が階段を下りた時だった。 バシッ 「?」 ふと、太ももを叩かれた。 弥一が太ももに目を落とした。 「この!お父さんをいじめるな!!」 「あ?」 小さい子供が、弥一の太ももをバシバシ叩いていた。 「このクソガキ!!」 バッ 子供を足から離そうと、思いっきり振った。 「うわ!」 ドサッ! 後ろに倒れた。 「おいガキコラ。ちいせえからって容赦しねーぞ。」 「…。」 完全にビビッてしまっていた。 「俺達が悪いんじゃねぇ。金を返さねえてめぇの親父が悪いんだよ!さっさと耳を揃えて払いやがれ!!!わかったか!?」 「うう…。」 泣いてしまった。 「す、すいません…。」 「?」 弥一が顔を上げた。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加