佐川さん家の美人妻

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「うわ!?」 ドアを開けたら、弥一が驚いた顔をしていた。 「びっくりした…。いきなり開けんなよ…。」 「あまりあの女を1人にさせとくなよ。」 「え?心配してくれんの?」 「…蹴りたくなる。」 「え?」 そう言うと、聖吉は階段を下っていった。 「…。」 ガチャ! 去り際にそう言われ、事務所のドアを勢い良く開けた。 「あいむ!」 「…。」 ゆっくりとこっちを見た。どうやら、無傷のようだ。 「脅かせんなよ…。」 ガサガサ 弥一は、持っていた袋を漁り始めた。 「ほら。パン。」 「…。」 「ありがとう。」と口を動かした。 「自分で開けろよ。手が生えてんだから。」 「…。」 クシャ あいむがパンの袋と戦い始めた。 クシャクシャ… 「カフェオレと…イチゴ牛乳。」 「…。」 パサ パンが落ちた。 「ほら。頑張れ。」 「…。」 クシャ またパンを握った。 「ふぁ…。」 眠い。 クシャクシャ… ビリ! つい勢いあまってしまった。 「あ!」 床にパンが落ちてしまった。 「あーあ…。」 「…。」 「しゃあねえな。もう一個やる。」
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