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「優しかった?」
「…。」
少し間があって、頷いた。
「良かったな。その服似合ってる。」
「…。」
あいむの口許が少し上がった。
「腹減った。晩飯なに食う?」
「…。」
あいむが口を動かした。
「なんでもいい?ばか!それが一番困るんだよ。」
「…。」
「無いなら、ラーメンにするぞ。」
弥一の目先に、ラーメン屋の看板があった。
「インスタントあるから、それにすっか。」
彼女は一回頷いた。
…
「あれは…。」
その朗らかな様子を、電柱の影からじっと見つめる人影があった。
「先輩に連絡だ…。」
そいつは、携帯を取り出してメールを打ち始めた。
カチ
連絡を伝え終わり、携帯をポケットに突っ込んだ。
「あいむ…逃げられると思うなよ…。」
そう言って、微笑ましい2人の背中をじっと見ていた
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