21人が本棚に入れています
本棚に追加
目をテレビにやっていたあいむがこっちを向いた。
「飲んで見ろ。」
ちょっと飲んだ酒を持たせた。
グビ
「!」
その瞬間、あいむ顔が険しくなった。
「やっぱまだガキにはわかんねーか。」
口を引き締める彼女の手元から、缶を取り上げた。
「大丈夫か?」
「…。」
少し涙目になっていた。
■■■
「あいむがチンピラにね…。」
先輩医師は腕を組んでいた。
「どうします?」
「どうしますってお前…。」
「警察ですかね。」
「警察沙汰になる事なら俺らもやってる。有名病院の院長の名前が汚れるぜ。」
「僕達じゃあんなチンピラには勝てないですよ。この間絡まれたばかりですし…。」
「お前絡まれたのかよ!ダッセ!」
「絡まれるのにダサいも何も。実はそいつなんですよ。あいむを連れて歩いてた奴は。」
「…平和に進めたいが、向こうが応じてくれるか…。」
「何するつもりですか?」
「簡単な事だ。」
先輩医師が得意気な顔をした。
「で?殺すんですか?」
「あいむか?うーん…。殺さなくてもいいんじゃない?」
「なんでですか?」
「可哀想じゃん。」
「また世話しなきゃいけないんですよ。」
「してやろうよ。な?」
「えぇ…。」
納得が行っていないようだった。
最初のコメントを投稿しよう!