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ピンポーン…
「ん?」
弥一が目を覚ました。
体を起こし、目をこすった。
ピンポーン…
「はいはい…。」
誰だ?真智留か?
ゴソ
あいむもつられて起きた。
「誰だよ…。」
ガチャ
ドアを開けた。
「どうもこんばんは。」
「…あ?」
いかにも怪しい男だった。
「下沢様ですね。」
「なんだ?」
「あいむをお迎えにあがりました。」
「迎え?って事はあの手紙の…。」
「早速ですが、あの子をかえしてくれませんか?」
「あいむを?」
「はい。返してくれるなら、こちらの方をお礼として差し上げます。」
男は徐に持っていたトランクを前に出した。
カチャ
トランクにぎっしりと札束が入っていた。
「すっげ!全部本物か!?」
「ざっと1000くらいは。もちろん、色々口止めを必要とするお金です。」
「うわ…。」
大量の札束に、弥一の心は奪われていた。
「では、あいむを引き渡してもらってもよろしいですか?」
「…。」
あいむを見た。
「どうした?」
何故か固まっていた。
「あいむ?」
彼女の肩を触った。
小刻みにふるえていた。
「どうしました?」
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