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「おめでとう。」
真智留が指先で拍手をした。
「真智留!これで競馬行こうぜ!」
そう言った瞬間だった。
バシッ
「あいたっ!」
頭に痛みが走った。
「駄目よ。これは上に回すの。」
例のあのキツそうな女の人がいた。
「たまにはいいじゃないですか。」
「会社に貢献しなさい。面接の時、あなた何て言ったの?」
「じゃあ100万でいいです。」
「駄目よ。ほら、早く渡しなさい。」
「…。」
弥一は渋々分厚い封筒を渡した。
「これであの人に褒めて貰えるわ。」
そう言って、豪華な椅子に座ってしまった。
「ったく。なんでボスの愛人がここを仕切ってんだよ。」
ガチャ
弥一が椅子に座った。
「まあいいじゃないか。いい匂いするじゃんか。」
「お前あんなケバい女がいいのか?」
「いや、そうは言って無いけど。」
「否定しろよ。香水臭くてたまんねー。」
「…確かに。トイレみたいな臭いする。」
「だろ?くっせーよな!」
弥一がわざとらしく鼻をつまんだ。
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