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だが、フェルトは何か考え事をするように腕組みをすると、何か気が変わったように杖をしまってしまった。
「どうしました?」
「…やめた。」
「そ、そうですよー僕らが争う意味なんてー…。」
「貴様の顔を見たらやる気が萎えた。」
「酷い!」
だが、そんなアルケインの反応など気にした風もなく、フェルトは言葉を続けた。
「これからは戦乱の世になる。」
「…でしょうね。各地で反乱分子が活動をしているのは知っています。」
反乱分子――
つまりは、このマギア真皇国の支配に不満をもつ人々ということだ。
文化――精神的な豊かさを取り戻そうという動きが少なからずあるということだ。
名前は忘れたが、反乱分子の中にはまだ成人もしていないリーダーもいるらしい。
「俺にとっては格好のチャンスだ。魔術実験の、な。」
「はぁ。」
「まして貴様が参加するとなればな。」
「はぁ…………はぁっ!?」
アルケインは驚きの声を上げる。
「え、僕は参加するんですか?」
「そりゃあそうだろう。お前は禁酒など出来る奴ではない。禁酒したくなければ、解放軍にでも入って闘え。」
「な、なんなんですか。その命令は…。」
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