72人が本棚に入れています
本棚に追加
ガシャアアアンッ
「な、なんですか??」
突然、外から大きな破壊音がした。おそらく、そこまで遠くではない。
その屋敷の主――アルケインは、様子を見る為に急いで窓を開け放った。
「…あれは?」
農園主であるアルケインの屋敷は、高い丘の上にある。
自室からは外の風景が一望出来るのだ。
敷地から黒煙が上がっている。
はっきりとした場所は定かではないが…なんせ敷地はとにかく広いのだ。
…襲撃か?
まさか。
ここ数年の自分の行いを振り返ってみた。
が、全くという程恨まれる憶えなどない。(多分)
そんなことを考えているうちに、遠くから自分のを呼ぶ声が聞こえてきた。声は足音と同時にバタバタこちらへと近づいてくる。
おそらく部下が情報を伝えにきたのだろう。
「…。」
アルケインはこめかみを押さえながら、ため息をついた。
面倒にならなきゃいいが。
ワインが不味くなる。
最初のコメントを投稿しよう!