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―その頃、気を失っていたニーア・ミーア達は、部下達に自室に運びこまれて眠っていた。
「うーん…。」
「起きた?ニーア。」
「あれ、ここは…。」
「私達の部屋よ。変な怪物に襲われて、帰ってきたの。」
ニーアは重い頭を起こして、辺りを見た。確かに、皇帝にもらった自分達の部屋だ。
双子の部屋は、床や壁には何かの儀式の為だろうか、呪術的なマークがあちこちに描かれており、水晶玉や動物の骨なども床に散在していた。
それと同じくらい、お菓子や人形も散らばっているのだが。
「…じゃあ、結局アレは捕まえられなかったんだね。」
「そうだね。腹たつわ…どこに逃げたんだろう。」
そう言って、ミーアは近くに放られた黄色い鼠のぬいぐるみをギュッと抱き締めた。
「アレならもっともっと気持ちいいだろうな。」
「そうよ、おっきくてフカフカよ。」
「でも…あそこには怪物がいるから…。」
「ええ、探しにいけないわ。」
2人は自分達の身に起こったことを思い出したのか、ブルッと身震いすると、そのままベッドに潜りこんで出てこなくなった。
「いいもん!ギアマンテ様に頼んでやっつけてもらうから!」
「ギアマンテ様なら怪物なんて一発よ!」
この時、2人はギアマンテ皇帝に勝手に軍隊を動かすなとお叱りをくらうとは、思ってもいなかった。
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