1*80年ぶりの再会

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―場所は変わり、アルケインの敷地内にあるワイン貯蔵庫。 「フン、随分溜め込まれていたもんだな。」 そこには肩に小さな動物をのせた赤毛の少女がいた。 少女は、積み上げられたワイン樽の山を見上げていた。 「早く運び出せー!」 まわりでは、その少女の指示のもと、多くの兵士達が酒樽を運び出していた。 「それにしても…これは相当な酒好きだな。昔、酒を水のように飲む奴がいたが……フン、酒なんぞ上手くもなんともないのにな。」 その少女は明らかに未成年だった。 しかし、飲んだことがある風な口振りで不満を吐き出した。 「ま、酒なんて俺には関係ないしな。早目にすませるか。」 少女は黒光りする杖を取り出すと、呪文を唱え出した。 「フェルト様…?一体何を……。」 作業をしていた兵士達は、手を止めざわつき出す。 「いちいち運び出してたら日が暮れる。さっさと破壊してしまえばいいだろう。」 「そ、それでは、ギアマンテ様のご命令と違ってしま…。」 「うるさい、一緒に消すぞ。」 「は、離れろ!巻き込まれるぞー!」 兵士達の顔が一斉に青ざめる。 中にいた兵士達も我先にと貯蔵庫から離れていった。 「それでいい。」 そのフェルトと呼ばれた少女はニィと唇を寄せた。
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