1*80年ぶりの再会

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ガキンッ!! 「フン。」 フェルトは肩に当たるスレスレのところで、杖の柄で刃を受け止める。 ギリギリと音を鳴らし、両者の攻防が続く。 しかし、強いとはいえ男と女。 まして、大人と子供。 明らかに少女の不利である。 「ダイコク!」 少女は顔をしかめながら、そう叫んだ。 すると、それまで肩にしがみついていた小さな獣の目が紅く光る。 カッと目を見開かれた瞬間、ダイコクと呼ばれた獣はアルケインに強靭な牙を向いていた。 「うわっ!」 刃を受け止められていたアルケインとの距離は、1mもない。 そうすぐにはかわせるはずもないのだ。 「うぐ……っ!」 アルケインは顔をひきつらせながら、鼻先1センチのところでギリギリ牙をかわした。 「…避けたか。」 悔しそうに舌打ちする少女に、獣はキュウと鳴いて尻尾を丸めた。 「は、鼻がなくなるかと思いましたよ……って…ダイコク??」 「ああ?これは、俺の使い魔のミニダイコクだ。」 ミニダイコクはキャウと元気よく鳴いてみせた。 「ミニ?…昔もっとあのビッグサイズを見たことがあるような……あれ??………ああっ!!」 「何をゴチャゴチャ言ってるんだ。次は外さんぞ。」 少女はいらついた様子で再び杖に魔力を注ぎ込む。 「わーーー!ちょっと待ったぁ!」 「…命乞いか?」 「貴女、フェルトさんでしょ!?」 「あ?」 さっさと魔術を打とうとしていた少女は、アルケインの言葉に手を止めた。
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