プロローグ

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春鴎学園 職員室 「では、次の議題ですが・・・」 少し重い雰囲気で初老の男性が口を開いた。 頭に大分白いものが目立ち、これまで何かしらの苦労を重ねてきた事を窺わせる。 「例の行方不明事件についてです。」 その言葉を聞いた瞬間、座っている教師たちに軽い緊張が走った。 「藤本先生、生徒たちの様子はどうでしょうか?」 「若干ですが落ち着きつつあります。しかしまだまだ噂は絶えないと思われますよ。」 藤本と呼ばれた二〇代半ば位の若い教師は少し俯き、首を傾げながら眼鏡を軽く直して言った。 「なんせ七人目ですから・・・」 その言葉で職員室内に重い空気が漂う。
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