プロローグ

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「それにしても妙ですな・・・」 三〇代前半位の男性教師が口を開いた。 「何が妙なのですか?宮川先生。」 「七人目とは言え、最初の一人目は五年前です。それ以降は全く無かったのに、ここ半年で六人連続というのは・・・」 宮川の言葉に周りの教師達も一斉に頷く。 その時、ゴホンと咳払いがした。 「五年前の行方不明事件は家出という事で解決したのではありませんでしたかな?」 「嶋田先生、確かにあの件は家出という事でしたが、事件性が見られなかったというだけでそう判断されただけです。実際には全く目撃談が無く、足取りも掴めていないんですよ?それどころか、学校から出たという姿さえ誰も見ていなかったんです。家出ならどこかで目撃されていてもおかしくない・・・」 「とにかく!」 宮川の言葉を強制的に遮ると、嶋田は威嚇するような目つきで教師達の顔を見渡した。
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