プロローグ

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「やれやれ…随分とねちっこい感じでしたね…」 藤本が宮川に目をやると、宮川は恥ずかしそうに頭をかいた。 「いやぁ…嶋田先生の仰る通りですからね。しかし高岡友里の件に関しては知りませんでしたよ。」 「私だって知りませんでしたよ。教師だって全ての生徒の行動を把握している訳ではないんですから、知らなくても無理はありませんよ。」 「ありがとうございます。まぁ、高岡には顔を合わせたら私からも一言注意を促しておきます。」 そう言うと宮川は歩き出した。 藤本はその背中を見送りながら、お優しい…と評した嶋田もあながち間違いではないのだろう、と考えた。 今のを見る限りでは、とても注意をするとは思えなかったからである。
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