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目の前がくらっとなり危うく倒れそうになる。
「は?どういうことだ……よ……?」
しかしその時、俺を急激な疲労感と睡魔が襲い、今度は本当にふらついて仰向けに倒れてしまう。
「……あ、れ?」
一気にまぶたが重くなり、体も全く動かなくなってしまった。
「やっぱりあのサイズを消すのはまだ辛かったみたいですね、すいません」
篠原の上機嫌な声が聞こえ、俺は、意識を、失った。
その時、俺達は気付いていなかった。目撃者がいたことを。
「……ど、どうしよう」
公園の木の影に隠れてそっと様子を伺う一人の少女。
「杉浦春斗(スギウラ ハルト)君と転校生の子、だよね……?」
彼女の名前は日野藍華(ヒノ アイカ)。
春斗や篠原と同じクラスの女子であり二人とはあまり面識はないのだが、生徒会副会長という立場から教師に二人を探してくるよう頼まれてしまい、公園に来てしまった。
生徒会長は入学式の演説があり席を外せるわけもなく、何だかんだでなぜか担任に無理矢理行かせられたのである。
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