第2話 混乱への入り口

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「篠原……」 どうやら夢で終わらせてはくれないようで、篠原はきちんとベッドの隣の床に正座をしてこちらを見ていた。 そして、その隣には 「……恵里姉ちゃん?なんでいんの?」 実の姉、杉浦恵里香(スギウラ エリカ)がいた。 恵里香は不機嫌そうに口を開く。 「あんたひき逃げにあったそうじゃないの!しかも相手は逃げられて。ったく軽い怪我ですんだからよかったものの……気を失うなんて情けないわね。たまたま通りかかった篠原君に感謝するのよ」 俺はどういうことだと篠原を横目で睨み付ける。 「いえいえ、友達ですから。当然の事をしたまでですよ」 こちらを見ながら、さらりと篠原がそんなことをいいのける。 何が友達だ、知り合って一日も経ってないだろうが。 「もう大丈夫ですか、杉浦君?」 篠原がほほ笑みながら、真っ直ぐ俺の目を見つめてくる。 話を合わせろということらしい。 「あぁ、大丈夫だよ。……ひかれたときは死ぬかと思ったけど」
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