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「勿論、僕もチカラが使えます。そして、春斗さんもね」
「待った、薬を飲まなきゃチカラは使えるようにはならないんだろ?飲んだ覚えなんてないぞ」
篠原の話に、俺はたまらず口を挟む。
俺の問いに篠原は微かに笑ったかと思うと、突然真剣な顔になった。
「世界には、チカラを悪用する人が当然出てきました。それらに対応するべく、組織が結成されたんです。その名も、《SUN》」
(SUN?……太陽?ってか俺の質問スルーされたな……)
もう一度質問してやろうかと思ったが、とりあえず俺は状況の整理を優先する
「つまり、お前がその《SUN》とかいう組織の人間ってことなのか」
「その通り。簡単に言えば、正義の味方ってところですね。春斗さんをスカウトしに来たんです」
「は?」
自分がそんな組織にスカウトされる理由はない。
「春斗さんの“チカラ”は、結構レアなんですよ」
篠原がニッコリ笑う。
俺はあの公園で、どでかい虎を消した。それが“チカラ”というやつなのだろう。
しかもどうやらレアらしい。
だから、スカウトされたと。
「ちなみに篠原はどんな“チカラ”を使えるんだ?」
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