第2話 混乱への入り口

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「ねぇ兄ちゃん、なんで入学式途中で帰っちゃったの?」 「行ってきます」 「ねぇー兄ちゃんってばー」 爽やかな朝。 今日も今日とて学校なわけで、今までで違う点があるとすれば弟と一緒に家を出るということだ。 「明、お前友達とかと一緒に学校行かないのか?」 「え?……あぁ、ここら辺は仲の良い同級生がいないからさ、兄ちゃんと一緒に行く!」 なんか引っ掛かるが、まぁ良い。俺としては、とにかく入学式の話題は極力避けられればいいのだ。 眩しい朝日を浴びながらしばらく通学路を明と歩いていると、道の先にバカみたいにつっ立っているアホ面が、バカみたいに大きな声でアホみたいな挨拶をしてきた。 「オッス!会いたかったぞ春斗!!」
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