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けたたましい音が聞こえる。
とある一軒家の中にあるとある部屋で、俺はぐっすりとベッドで爆睡していた。
ジリリリリリリ。
けたたましい音が聞こえる。
俺はのっそりと右手を目覚まし時計へと伸ばして、眠りを妨げる騒音を“消した”。
寝返りをうち、伸びをしてからもう一度縮こまったところで、部屋のドアが勢い良く開け放たれる音が聞こえる。
「兄ちゃん!!もう時間だ……よ……」
「ふぁぁ……ん?明(アキラ)か、おはよう」
俺はまだ半開きのまぶたをこすりながら、こちらを凝視する弟を見つめた。
「あぁ、うん、おはよう……じゃなくて!兄ちゃん今日から学校だよ!?」
明が慌てた様子で寝ぼけ眼の俺にそう告げた。一瞬にして凍り付く俺の部屋。
沈黙を破ったのは、
「遅刻だぁぁぁぁぁぁ!!」
恐怖の絶叫。もとい、俺の叫び声だった。
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