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「死んだ…………」
「ハルト、大丈夫?」
「ギリギリ遅刻とはやるな。流石だよ!ぷぷっ」
人生最速の走りを見せた俺は、学校の教室で二人の友人に囲まれながら机に伏していた。
心配そうに声をかけてくれた友人その一。足利 蓮(アシカガ レン)。簡単に説明すると、チビだ。
笑いを堪えながら声をかけやがった友人その二。神永 弘人(カミナガ ヒロト)。簡単に説明すると、バカだ。
チビとバカに挟まれた俺は、そりゃあもう疲れに疲れて死ぬんじゃないかって感じであるわけだが、神様は非情にも遅刻という贈り物をくださった。ちくしょうめ。
「そういや転校生来たんだって?」
俺はさっき蓮から聞いた情報を詳しく知るために声を絞りだす。
「そうだよ!カッコいい男の子だよ」
「ちっ」
ちょっと期待してたってのに……男かよ。隣で弘人も同じようなことでギャーギャー文句を言っている。こういうことに関しては気が合う奴だ。
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