29人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
「落ち着いて聞いてください」
なんだかんだ楽しそうだなぁーと思った俺は、篠原にされるがまま近くの公園に連れてこられたわけだ。
どういうつもりなんだこいつ。
「実は僕、普通の人間じゃないんですよ」
「は?」
なんですと?
「もうすぐこの公園に“敵”が来ます。すいませんが、追い払うのを手伝ってほしいんです」
「は?」
意味がわからない。いや、わかりたくもない。
篠原将俊、こいつはどうも頭のネジが抜けてしまっているらしい。とんだ転校生が来たもんだ。
「すいませんが、説明している暇はありません。ほら、来たみたいですよ」
そういって前方を見据えた篠原の視線の先を辿ってみると、翼の生えた虎がいた。
いたったらいた。
最初のコメントを投稿しよう!