第1話 始まり

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「落ち着いて聞いてください」 なんだかんだ楽しそうだなぁーと思った俺は、篠原にされるがまま近くの公園に連れてこられたわけだ。 どういうつもりなんだこいつ。 「実は僕、普通の人間じゃないんですよ」 「は?」 なんですと? 「もうすぐこの公園に“敵”が来ます。すいませんが、追い払うのを手伝ってほしいんです」 「は?」 意味がわからない。いや、わかりたくもない。 篠原将俊、こいつはどうも頭のネジが抜けてしまっているらしい。とんだ転校生が来たもんだ。 「すいませんが、説明している暇はありません。ほら、来たみたいですよ」 そういって前方を見据えた篠原の視線の先を辿ってみると、翼の生えた虎がいた。 いたったらいた。
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