華やかなる壁の華を希望

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ジンSide ユーリが倒れた。 王妃に連れられて話している最中、突然に。 直ぐ様駆けよりユーリを支える。 ひどい顔色だし呼吸も早い。 手を取ればひどく冷たい。 「ジン君、客間に運んで。こっち」 ディーンさんの先導に従ってユーリを抱き上げ運んだ。 客間の一室にはノワール家の掛り付け医が待っていた。 「どうですか、先生。ユーリは」 服を弛めて横になったからだろうか、さっきよりは顔色が戻っているようだ。 「…特に、異常は無いようですが…持病か何かは有りますかな?」 「持病…」 ユーリからは何も聞いていない。 …そういえば、誘拐された時も突然倒れたな。 その事を医者に告げると 「緊張やストレスに弱いのかもしれません。頑張りすぎる人や周りに気を使い過ぎる人がギリギリまで頑張った挙句倒れるという事が有ります」 との事。 ユーリは確かに子供らしい我儘も泣き言もあまり言わない。 「大抵本人は無自覚ですから、子供なら周りの大人が気を付けてあげるといいでしょう」 ユーリ… そうだな。大人びていても、ユーリは子供なんだ。 「失礼します。王妃様と王女様が」 メイドが二人の訪問を告げた。
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