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しばらくはのんびり過ごそう。
何かやりたくなったらその時考えればいい。
その為の能力は貰えるんだし。
「じゃあ、『魔法世界ラベンデュラ』に送るよ。いい?」
「構わない。さくさく送ってくれる?」
いつまでもここにいると、目の前の神様をぶんなぐっちゃいそうだし。
許したわけじゃ、ないから。
ただどうしようもないから、早くここじゃない場所へ行きたい。
こいつの前で泣きたくないから。
「うん…じゃあ、目を閉じて」
神様の言葉に、僕は目を閉じる。
目蓋の上に、ひやりとした手の感触。
「君の次の人生が、幸せであるように…」
ふざけんな。そう思った瞬間、ゆらりと世界が廻るような感覚。
ぷつり、と暗転。
こうして僕は新しい世界へ旅立った。
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