新しい世界で

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人影はよく見ると小さな子供だった。 整った小さな顔。さらさらの少し長めの黒髪、陽にあたった事が無いような、だが滑らかそうな白い肌。 歳は、五歳くらいか? ぶっちゃけ、天使が舞い降りたかと思ったぜ。  いやいや、俺には小さい子供好きの怪しい趣味はないが。 そっと頬に触れると少し冷たいがふにふに柔らかい。 「おい、大丈夫か?」 少し肩を揺すってみるが、子供は起きない。 周りを見ても、子供の親らしき人間もいない。 これはもしかして。 「捨て子、か?」 こんな所に年端もいかない子供を置き去りにすれば、余程運が良くなければ魔獣に見つかって食われてお仕舞いだ。 ここで見つけてしまった以上仕方ない、か。 俺は子供をそっと抱き上げた。 …軽い。 子供ってこんなに軽いもんなのか? すうすうと、子供は寝息をたてている。 「お前、こいつを見つけてほしかったのか?」 いつの間にか銀狼は俺の足元に座り込み俺たちを見上げていた。 ???Side End
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