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「…ぼく、僕は裕里」
この世界名字とか有るのか?後で調べないと。取り敢えず名前だけ言っておく。
「ユーリちゃんね。よろしくね!」
「よろしく…お願いちましゅ」
また噛んだ!
この小さい体なんか慣れないよ!
「くうぅーっ!可愛いー!お、お兄さんと向こうの部屋で二人きりでイイコトして遊ぼうか?」
何この危ない人。
「何がイイコトだ、お前の方が変態だろーが」
そして再び元のお兄さんの腕の中へ。
今度はカウンターに座らされた。
やれやれだぜ。
コトリ、と目の前にマグカップが置かれる。暖かい湯気がたちのぼった。
「ホットミルクだぞ、飲めるか?」
こくんと頷いてからふうふうと息を吹いてマグカップのミルクを冷ます。
猫舌なんで。
少しずつ僕がミルクを飲み始めるまで二人は待っていてくれた。
一人は人の話あんまり聞かないし、もう一人はちょっと変態だけどいい人達だ。
ここまで来て、漸く僕の頭も動き始める。
この世界が、僕が新しく生きていく魔法世界ラベンデュラだ。
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