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ニブの森:???Side
胸が、ざわついて止まらない。
体のどこかにぽっかりと穴が開いてしまったかのように、有るべきものが失われてしまった様。
ほんの少し前、あの子供に会ってからだ。
友人に会った帰り道、いつもは立ち寄らないニブの森を訪れた。
在庫の薬草がもう残り少なかった事を思い出したのだ。
森の奥で必要な分を探していると、目の前に突然光り輝く球が現われた。
「!、グルル…」
低くうなり声をあげて距離をとった。
何だ?光球が現れるまで、魔力は微塵も感じられなかった。
魔法を行使するなら、その余波が寸前に感じられるはず。
なのに、コレは本当に突然に私の目の前に姿を現わした。
最初眩しくて直視出来なかった光が、やがて光量を落とす。
「…?」
だんだんとその光の中に居たものの正体がはっきりとしてきた。
「!!」
光が完全に落ち着いた、そこに居たのはまだ小さい人間の子供だった。
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