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夕暮れが迫る路地を駆ける、駆ける、駆ける。
ジンさん達が僕の不在に気付いて、トイレまで行って、返事がないのを不審に思って鍵をこじ開けて、僕が逃げた事がわかるまであんまり時間は掛からないと思う。
だから出来るだけ離れて、街の外に出たい。
逃げる手段を検索したら《転移》っていう便利な魔法が有ったんだけど、一度行った場所にしか行けないらしい。
つまり、今の僕だとニブの森とかいう自分ではいたんだか記憶にない場所にしか行けない。
いや、意識が無くても行った事になるのか?
ちょっと確信が持てない…
そんな訳で、僕的逃走プランは『街の外に出て、移動用の風属性飛翔呪文でどこか別の街に行っちゃうよ☆』が選択された。
まずは、街の外に出る。
なるべく街の中心から離れて行かないと。
ここは城壁に囲まれた大きな街なので、街の端まで行けば壁がある。
その壁伝いに関所の様な出入口にたどり着けば良い。
そこから出ていく馬車にでも潜り込んで街の外に出よう。
完璧な計画ですよ奥さん!
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