逃亡、再会

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駆け足で裏通りを走り抜ける。 なんか、この辺あんまり良い雰囲気じゃないなあ… 寂れてるというか、薄汚れているというか。 気のせいか、なんか、いやな視線も感じる。 もしかして、スラムとか言うヤツ? 走ってる内にヤバイとこに入り込んじゃったか? 遠回りになると思うけど、一度大通りに出るか。 僕がそう判断して角を曲がろうとした時だ。 「おっと、お嬢ちゃん。危ないぜ」 曲がり角の向こうから、ぬぅっと人相の悪いチンピラ風の男が現われた。 赤髪で顔には斜めに三本傷というどこぞの船長風な飾りがついている。 しかし、顔の造りはごつい。不合格だ。 後ろを振りかえると同じような雑魚っぽいチンピラが四人。 嫌な感じにニヤニヤ笑いながら近づいてきた。 「こんなとこ一人で歩いてるなんて良くないなあ、お嬢ちゃん」 「お兄さんたちが家まで送っていってやろうか?」 「ヒャヒャヒャ!そうそう、俺達イイヒトだからよぉ、黙っておとなしくしときな!」 「うぉ、マジこいつ黒髪だぜ!?」 おお、なんというテンプレ悪人。 「おい、テメェら喋ってねえでさっさとそのガキ連れていくぞ」 最初に出てきたヤツが後ろから出てきた奴らに命令した。 あいつがボスか。
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