30760人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく歩くと階段が終わり、また扉が現われた。
ボスが懐から鍵の様な物を取り出してドアノブの下の鍵穴に差し込むと、ガキリ、と硬い音がした。
そのままノブを回すと急に明るい部屋に出た。
「おっ、ゴメスじゃねえか。今頃なんだ?いつもならもう会場で商品渡してる所だろ?」
扉を開けた所にいたという事は門番の様な物なのだろうか、目付きの鋭いハゲた筋骨隆々の男がボスに話し掛けた。
「追加だよ。稼げる時に稼いでおきたいんでね」
ボスがちらりとこちらを振り返った。
「商品の待機場所は?」
「変わらねえ。一番の赤の部屋だ。今は主催者が商品のチェック中」
「わざわざか?」
「上物だけな。今回は規模がでかい。そいつ連れていくんだろ?」
ハゲが僕を見ながら聞いた。慣れてるんだろう、憐れみ等はその目には浮かんでいない。
「ああ。お前達は他の商品の受け渡しに行け。俺はこいつを連れていく」
抱えていた男から軽がると僕を受け取ると、ボスは部屋から出て奥へと歩きだした。
最初のコメントを投稿しよう!