夜の客人

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少しすると、先程の悪寒のせいなのか、急にトイレに行きたくなった。 「ごめん、ちょっとトイレ」 「うん。いってらっしゃい。あ、一人で行ける?」 恋人はいたずらっぽく笑いながら聞いた。怖がっていた様子を見てからかっているようだ。その冗談を軽く受け流し、私はトイレに向かった。 そういえば裸足の理由を聞くのを忘れたな、などと考えていると、携帯が鳴った。友人達に電話をかけたことを思い出すと、勘違いで起こしてしまったことの謝罪をしなければと思った。すぐに携帯を確認すると、メールが一件届いていた。 『おはよー!ってそっちは今真夜中か(笑) もうすぐ帰るから、お土産期待しててねー。』 差出人は、恋人。そうだ、思い出した。恋人は今、旅行でアメリカに行っているんだ。 じゃあ、今部屋にいる恋人は、恋人の形をしたモノはいったい何で、何をしに来たのだろう?
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