過ぎた愛情

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翌日も同じような内容の手紙が届いた。しかし内容は微妙に異なっており、わざわざ新しく書いたことがわかった。敏也は再びそれを破り捨てた。 しかし手紙は次の日もその次の日も当然のように入っていた。手紙を見る度に敏也の恐怖は少しずつ増幅していった。 そして時間が経つに連れ、被害は手紙だけではなくなっていった。帰り道や講義中、昼食をとっている時でさえ視線を感じ、盗難被害にもあった。それも財布などではなく、ハンカチやペンなどの日用品が無くなった。 敏也の心からは余裕が無くなっていった。寝ている時でさえ見られているように感じ、少しも休まらなかった。 「なんか顔色悪いよ。大丈夫?」 ある日、家にやって来た葉子に尋ねられた。心配そうに見つめる顔は、とても愛おしかった。いっそ全てを話してしまおうかと思った。しかしすぐに、不安にさせるだけだと思い直した。 「いや、何でもないよ。大丈夫」 そう言って笑って見せたが、葉子はまだ不安そうだった。 「本当に大丈夫?何かあったらすぐに言ってね?」 葉子が心から自分の身を案じてくれていることがとてもうれしかった。そんな彼女のためにも弱った姿は見せられないと思い、敏也は気丈に振る舞うことを決意した。 その日は敏也を心配した葉子が泊まっていくと主張し、敏也もそれを受け入れることにした。
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