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(見つけた……。)
死ぬ場所を探しさ迷ううちに見つけた誰もいない小さな原っぱ。
(ここなら誰にも見つからずに死ねそうだ……。)
ゴソゴソッ……
「あった。」
誠二は自分の鞄の中からカッターを取り出した。
このカッターは新品同様なのでよく切れる。
カチカチカチッ
誠二はカッターから刃を出し、自分に向けた。
(ん……人?)
誠二が原っぱに入ってきたところに一人の女の子がいた。
その娘は、誠二より一つか二つ下の年齢ぐらいで体も小さい。
(なんで……あの娘はこんなところに?
あの娘も死にに来たのか?)
若干邪魔に思った誠二だが、同じ様に死にに来たのなら自分の自殺を止めたりしないだろうと思い、そのままカッターを自分の心臓に突き立てた--。
最後に聞いたのは、
あの少女の「あ。」という声だった--。
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