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アマリリスが急いで行った場所。
それは親友であるサティ・リネストの家だった。
リネスト家はアマリリスの家であるラスティハイド家と並び王都屈指の名家である。
リネスト家はラスティハイド家と仲が良いのだ。
アマリリスはサティの家のメイドに軽く挨拶をすると、サティの部屋の扉を開けた。
「サティ、来たわよ~…ってあれ?サティ?」
「こっちよ、アマリリス。庭に来てちょうだい」
アマリリスは声のした方へ駆けていく。
「いらっしゃいアマリリス」
「サティ、今日は庭に出て大丈夫なの?」
「えぇ。今日はとても調子がいいのよ」
「気分悪くなったら言ってね」
「ありがとう。相変わらずアマリリスは優しいのね」
「当たり前よ!病弱な親友に気を使うのに理由は要らないわ!!」
「ふふっアマリリスらしいわね」
「サティからかわないで」
「ごめんなさい」
「……サティの病気を治せる人はいないのかしら」
「アマリリス、私は大丈夫よ」
サティは穏やかに微笑んだ。
サティは不治の病にかかっている。
原因不明の病に、何人もの名医が挑んだが依然として原因不明のままだ。
アマリリスはそんなサティが気がかりでならず毎日のように通っている。
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