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「あっ!忘れる所だったわ。今日ね、とてもいい茶葉を買ってきたの♪」
そう言うとアマリリスは小脇に抱えていた茶色い紙袋から茶葉の入っている瓶を取り出す。
「コレよ」
アマリリスは瓶の蓋を開けサティに差し出した。
ふんわりと上質な茶葉の香りが漂う。
「いい香りね」
「でしょう♪それとね…」
アマリリスは肩から掛けていた鞄から水の入っている小瓶を取り出した。
「それは何?」
サティが不思議そうに水を眺める。
「これはね、魔法の水よ!」
「魔法の水?クスッそれは大変だわ」
「ふっあはははは」
「ふふふふふっ」
二人は心のままに笑った。
「はぁ、相変わらずアマリリスは面白い事を言うのね」
「本当の事よ。ウェルファがとても澄んだいい水だってくれたの」
「ウェルファ?…あぁ、アマリリスの言う水の妖精さんね」
「そうよ。それにね、今もここにいるわよ」
アマリリスは自分の斜め上を見上げる。
「そこにいるのね。…私にも見えるかしら」
「見えるわよ。サティが見たいって心から願って、妖精を信じれば、ね」
サティは少しの間目を瞑り、開いた。
「……うっすらとなのだけれど、アマリリスの近くに赤い光が見えるわ。よく見ないと分からないけど」
「サティ、それはラティアよ♪」
「ラティア…火の妖精さんね」
「うん♪」
「あっ……見失っちゃったわ」
「でもすごいわ。少しでも見えたんだもの。……嬉しい」
「アマリリス、何かあったの?」
「それがね…」
アマリリスは先程からかわれた事をサティに話した。
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