怒る女と笑う女

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そういや、なんか音が聞こえたはいいんだけど。 ちょっと音が遠くから聞こえたような。 それに頭もボーッとしてきた。 「騎菜‥‥‥お前。待ってろ直ぐに保健の先生を連れてくる」 「あ、朝比奈。ちょっと待って」 走り出したであろう朝比奈を呼び止める。 「どうしたんだよ。早く先生を呼ばないと手遅れに」 「先生じゃなくて、母さんに連絡を頼む」 ボーッとした頭で唯一考えれた事。 それはこれ以上騒ぎを大きくしちゃマズイという事。 俺もそうだし朝比奈も、そしてもちろん委員長にとっても騒ぎが大きくなるのは避けたい。 だから保健の先生を呼ぶのは困る。 よく分かんないけど、保健の先生を呼ばれたら救急車を呼ばれそうな気がするから。
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