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夏子さんにとっての鬱状態とは、ごく若い頃に勧められるままにお見合いして、深く考えず結婚してしまった夏子さんが、精神的に自立した女性としてイニシエート(古い自我が死んで、新しいアイデンティティを獲得すること)される為に、外なる異性としての夫と対決するためには必要な病理だったのではないか、とも考えられます。
因みに、「混沌とした蛇」という存在と「男なるもの」としての「大蛇」のイメージは矛盾するでしょうか?
一般に、女性にとって「男なるもの」が何かしら不可解だったり、薄気味悪かったり、怖かったり、そして解釈しづらい存在であれば、蛇は混沌そのものでしょう。
このように考えるならば、蛇が混沌としたカオスであり、かつ女性にとっての異性としての「男なるもの」であることは矛盾しないと考えられます。
また、女性の夢分析をしていると、境界性パーソナリティ障害の方に限らず、異性的なイメージと対決するために、針等の武器を活用しているのを多々見ます。
そこで、次に、女性の持つ攻撃性による「守り」について考えて見ましょう。
そして、新しく症例を挙げて境界性パーソナリティ障害の病理に迫ります。
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