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攻撃機や戦闘機が襲われるなか、偵察機は紅竜から必死に逃げながら、母艦に向かって無電を打っていた。
「おい!まだ打てないのか!?」
「待って下さい後少しです!!」
「急げ!!この化け物、機銃じゃ歯が立たねえ、なんてスピードだ!!」
ドドドドドドッ!!
後部の12.7ミリ機銃を撃つが紅竜には虚仮威しにもならず、紅竜の回避性能もあいまって、まず当たらない。
見方の間を逃げ回るように回避するが、既に限界がきていた。
そして三機の紅竜が偵察機をおいつめ、三十ミリバルカン砲を撃ちこむ。
貧弱な偵察機が三十ミリの大火力をくらえばどうなるかなど自明なことであり、今までの逃走劇がまるで奇跡だったようにあっけなく爆散する。
だが無電はなんとか母艦の空母に届いており、攻撃隊の悲劇を伝えることができた。
自分たちを滅ぼす敵とともに。
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