散華 ~inspi.スカイ・クロラ~

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散華 ~inspi.スカイ・クロラ~

空洞(くうどう)を見つめ 怯(おび)えていた ふと流れては消えてゆく 風の旋律(せんりつ) 押し寄せる全てに 手を広げて掬(すく)いとった いくつもの弦が共鳴を始め 巨大な深淵(しんえん)の口が開く 声だけでは 吸い込まれてしまうから 夢中で雲を突き抜ける 心地よい振動の中で 生温(なまぬる)い命に手を伸ばした 支配に蔑(さげす)まれたこの体に 真実など 意味を為さないのだろう
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