儀来
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儀来
忘れもしない あれは 黒い月の夜だった 金色に陰る蛻(ぬけがら)の脇には 白い蝴蝶の乱舞 本当は 誰も憎みたくないのに 身影にすり寄る蝓虫が 変わり果てた姿を知らしめる 不気味な足音を響かせて 木々たちは 海の先を目指す 進むべき彼方を知り得たなら 私も迷うことはないだろう
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