純心

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純心

柔らかく 黒い瞳の魔力で どんな理屈も 色褪(あ)せる 胸に突き刺さる 直線コード 憐れなほど 無抵抗のまま囚われた 流星は燃え尽きるのに 同じ空に 再来を期待して 殻を破る本能を 糊付(のりづ)けして呼吸を塞(ふさ)いでる だけど もう恐れるのはやめた だって きっとこのまま朝を迎えたところで 何も変わらない 例え 一過性の電流だったとしても 培(つちか)った圧倒的な想像力で 眠れぬ夜を破壊してやる 例え 伸ばした手が海に阻まれても 悲しい噂が聞こえても ひたすら奇跡を信じさせて 掠(かす)れた脈拍が 目覚める時 やっと ここから飛び立てる ああその時 君が側にいてくれたなら
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