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その地位とは、『一年後、天界兵としての試験を受けられる地位』。
通称『プロクレーシス』(挑戦)と呼ばれる地位だ。
天界兵になるには試験を受けなければならない。
だが、学園にいる全員に試験を受けさせるにはあまりにも数が多すぎる。
なので、毎年この時期に現天界兵達が学園を見に来て生徒達を見、会議を開いて最終的に会議で決められた者だけが試験に受けられるようになっているのだ。
そして今はプロクレーシスを決める会議が開かれる一週間前。
いつもなら疲れはてて死にそうになっている生徒でも、この時期だけは目を輝かせて現天界兵達に自分の名前を会議に出させようと必死に努力するのである。
しかし、今年は珍しく、たった一人だけ全くやる気を出さない人物がいた。
星魔学園高等部2年Β(ベータ)組2番、射手岡矢菊(いておかやきく)。
矢菊は今日も、様々な生徒が武器や魔法を上げようと努力している中、学園の裏庭にある荒野の唯一の自然と言って良い植物園で、鼻提灯を膨らませながら暢気に昼寝をしていた。
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