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反射的に声のした方を振り返る。
真っ白な中袖シャツに黒いベスト。
真っ暗のパンツに身を包んだ男性が、にっこり笑って立っていた。
「いらっしゃいませ。外は寒かったでしょう?」
「え…?」
「さ、早く座ってください。体が暖まりますよ」
目元を更に細くし、不気味な程優しい笑顔を浮かべそう言った。
―――――怖い。
そう思うのに、何故か体が勝手に動き、入り口から少し離れた暖炉に近い椅子へ腰掛けた。
「うん、素直でいい子ですね」
私の行動に満足したのかにっこりした表情は崩さずに私の向かい側の席に座った。
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