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シャワー浴びた後、リビングに寄って見ると、彼女はコップ両手で持ち、ちびちびと飲みながらテレビ見ていた。
ま…いっか。
部屋に行き、机に教科書とノート広げて。
ノートに書き込むペン走らせる音の他に、
雨の音と…
テレビの音。
ま、イヤなら自分から出て行くんだろうし、
俺も別にイヤじゃねェし。
特に彼女なんてのもいない。
友達は人並み程度にはいるけど、部屋まで呼べる勇気もない…
きっと、施設で育った名残が今になって出てきた。
ふと、彼女の名前が気になって部屋から出た。
ソファに膝抱えて座り、テレビに反応して笑う。
「なあ」
少しビクつくと俺の方を見る。
「…名前、そういやと思って
俺、晄…大野晄、高校三年」
「…おおの…あ…き」
「そ、キミの名前は?」
途端、泣きそうな顔してうつ向く。
「…ない」
「…ない?」
小さく頷くと
「名前…ない…の」
んなわけねェだろうが。
「なんかさ…証明出来るもんねェの?」
黙る彼女に…
「持ち物見ていい?
それに、俺の好きなようにするよって言ったし、キミも同意したし」
頷く彼女に玄関からバックとスーツケースを持ってくる。
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