始まりの始まり

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この紋章は国の象徴。ならば、この国に住む者であれば、当然それを身に付ける権利がある。 と、三代前の国王が決めたのだ。 ちなみに王族の紋章は 両翼を雄々しく広げたドラゴンの前に同じく大剣が天を向いて立っている。 なお、こちらは勝手に使うと即刻逮捕となり最悪死罪もあり得る。外交等でも使うので悪用を防ぐためだ。 一通りシャツを見てからズボンを見る。同じく黒をベースにした物だ。 ただし、両方の太股とふくらはぎの部分には物を入れる少し大きめのポケットがある。 「ありがとう母さん。早速着てみるよ」 服を持って着替えに行くバッシュ。 バッシュは急いで自分の部屋に入る。 この服は決して安い物じゃない。生地にしたって対魔法・物理攻撃用に魔法強化された物だ。ちょっとそこまでお買い物感覚で手に入るような代物じゃない。 この国の一般的な家庭が半年は楽に暮らせる位の高級品だ。それがどれだけ大変な事か…… 閉めたドアにもたれながら 「ありがとう…母さん…」 服を抱き締めながら再度小さく呟く。
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