始まりの始まり

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そしてもう一つの理由が彼、バッシュ・カノンがその護衛騎士団の入団試験を受ける日なのである。 「さて、起きるかな」 朝日がようやく出てくる頃、バッシュは日課である 剣の稽古をしに外へと向かった。 玄関の横に立て掛けてある鉄製の両手剣を持ち、通りへと出る。 朝もやの中、黙々と素振りを続けていると、あちこちから同じ様に素振りをする音が聞こえる。 この国は騎士国家、国民は皆、特に若い人々は、王国騎士団に入る為、自主的に訓練に励むのが当たり前となっている。 バッシュも例外では無かった。 幼い頃より騎士団の演習や訓練所に通い詰め、その姿に憧れ、いつかは自分もと願い、一日も訓練を欠かさなかった。 そして今日この日、ようやくその夢を叶えるチャンスがきたのだ。 「…絶対に騎士になってやる」 自らに言い聞かせる様に小さく呟く。
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