prologue 新たなる脅威

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隆典と雅一。 彼等はある任務のためにラゴス島を目指していたが、移動中に事故に会いこの島に漂流してしまったのである。 ちょうど今、彼等が釣った魚が焼き上がった所だ。 「いつまでここにいればいいんだよ…」 「心配すんな、この島には思った以上に食料がたくさんある。 飢え死にはならないよ。」 「まぁそうだけどさ…でもさすがに1ヶ月もここにいたらなんかなぁ…」園外のケータイを見て雅一は呟く。 「そもそも、何で俺達がゴジラザウルスの数の確認をするだけで島に行かなきゃいけねえんだよ…」 雅一は魚を口にした。 「脱走されたらたまんねえだとよ。そんだけ。」 「そんだけって… だからって何で俺達が…」 ‐ドスン‐ 微かだが、何かの音が聞こえた… 隆典はそれを感じ取った。 「マサ…岩影に隠れるぞ…」 「どして?」 「いいから…!!」 2人は岩影に向かって走る。 ‐ドスン…ドスン‐ 明らかに生物の足音だ。 「何だよこの足音…」 「わからん…多分、薪の煙につられて来たんだ…こっちに来る。でかいぞ…」 足音は徐々に大きくなっていく。 「こりゃあ、怪獣の足音だぞ…」 隆典はそう把握した。 突如、自分達の近くにあった木々が倒れる。 その中から、ゆっくりと…怪獣が姿を現した。 怪獣のうなり声が響く。隆典達は怪獣の姿を見た。だがそれは、彼等も見たことがある怪獣だ。 「…マジかよ…」 雅一が呟く。 黒い体に長い尾、鋭利な背鰭。 どう見ても、あの怪獣だった。 怪獣は巨大な足で薪の煙を踏み潰す。 そして天に向かって雄叫びを上げた。 月の光が怪獣の姿を照らす。 その時、怪獣は岩影に隠れている隆典達に気付く。 「やばい、気付かれた…」 怪獣はゆっくりと、隆典達のいる岩へと向かっていった。
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