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「あっ、無理しちゃダメ!」
ミラーノはベッドの上からジャンプして、フランツのもとに駆け寄った。小さく細い腕で彼を支えようとするが、間に合わず、フランツはミラーノの上に馬乗りになっていた。
フランツは慌てて体を起こし、王女を気遣う。「あっあっ…だ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫」ミラーノは笑顔で答える。フランツはいつの間にか、その笑顔を直視出来なくなっていた。
さっさと立ち上がって、扉に手をかける。「じゃあ、俺、帰るから」
「分かった。気をつけてね。また、来てね」ミラーノは笑顔のまま彼を送り出した。
そのすぐ後にメイドがやって来た。メイドには、フランツ皇子が遅い時間まで王女の部屋に居座っていたことはばれずにすんだ。
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