*出会いは墓場から

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…気付けば 私は霊園の待合室にいた お墓のある所から どうやってここまで来たか覚えていない 気付いたら ここにいた …寒い 生きてる感覚 心まで冷えそうな位 寒い 「はい、どうぞ」 差し出されたタオル 私は虚ろな目で 視線を上げた 「濡れちゃいましたね いきなり降って来ましたからね」 さっき 花束をくれた男の子が、笑って言った 「風邪ひきますよ? さぁ、どうぞ」 『……』 暖かい笑顔 まるで太陽の様な… 『…ありがとう』 私はそのタオルを受け取り顔を拭いた ふわふわのタオル 気のせいか暖かい 私は… 何故か胸が一杯になって 泣き出してしまった ─号泣 私はその子に 全部話してしまった  
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