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現代から遡ること遥か昔…かつて人々は、後世に"幸せ"や"教訓"を伝えるため数多のお伽噺を綴った。
お伽噺とは、先の人が未来に向けて贈った知恵の贈り物。
しかし、現代、2011年――
人々の記憶からお伽噺は徐々に消滅し、存在意義すら薄れつつあった。
そんな世間では、都市伝説として「お伽噺の怪物が出る」という謎の話題が飛び交っていた。
物語の舞台・柏花市ではこの都市伝説が噂され始めたと同時に、人には為し得ない怪事件が頻発するようになった。
これに対抗するべく、警視庁は内密にその怪物を<物語の化身>フェアリードール、通称<ドール>と名付け、対策本部を設置したのだった。
――柏花東條高等学校
この高校は、ごく一般的なレベルの公立高校で、人数もそこそこ多い。
ここに通う、幼馴染みの4人グループがいる。
白咲 綾、鈴木 愛、金田 剛、中津川 翔太だ。
腐れ縁で、小学校から高校まで奇跡的に同じ学校に通っている。
そんな彼らの日常から物語は始まる…
綾「おはよー!!」
翔太「おはよー🎵」
剛「おう、今日なんか来るの遅いんとちゃうか?」
愛「寝坊しちゃって…」
「いつものことじゃん💦」
そんな会話を交わしていると、この1-Bの担任である新垣 美和子が教室の扉を開けた。
廊下には見慣れない一人の男子生徒。
「起立、気をつけー、礼」
新垣「さて、朝のH.R.を始めます。今日は皆さんに大事なお知らせがあります。入って」
教室のドアが開き、先程の生徒が入ってきた。
新垣は彼に、黒板に名前を書くように促す。
それに応じ、彼はさらさらと名前を書いてゆく。
字の綺麗さは…だいたい中の上くらいといったところか。
「今日転入してきた古谷 恭介君です、仲良くしてあげてください」
恭介「古谷 恭介です、宜しく」
「綾!!古谷君、めっちゃイケメン!!」
「うーん…」
「席は…白咲さんの隣に座って。では、これで朝のH.R.は終わります」
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