第3話 TERROR/ドールの謎

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『そこを退くんじゃ、小僧…ワシにはこの商店街を潰す使命があるのじゃ』 「商店街が壊されるってわかっとるのに、ここを退くアホがどこにおるんや?」 『退かぬなら、小僧、おまえごと潰してやろうかのう…』 ドールが、金棒を構え剛に降り下ろした。 「まずい、足、動かんな…俺、ここで死ぬんか?」 金棒が迫る。 ガキィン!! 「……ん?生きとる…って、お前、何者や!?」 「間に合ったぜ…大丈夫か?つょ…!!俺はテイル、ケガ無いか?」 「まぁ、大丈夫や…」 振り下ろされた金棒は、テイルの両手剣で受け止められていた。 「なら早く逃げろ!!」 「おう…」 誰もいなくなった商店街を、剛が走り抜けていった。 『逃げおったか…まぁよい、変わりにお前が邪魔をするのか?猫童…』 「当たり前だろ?そのために来たんだ」 『若造が!!』 ドールの金棒がテイルを狙う。 しかし、テイルがバイクのアクセルを全開にしたため、攻撃は当たらずに弾き飛ばされた。 コンクリートの上をドールが転がる。 「剛のやつ、ここの八百屋の息子だったんだな…ならなおさら、この商店街は壊させねぇ!! てめぇ、何で町を壊すんだ!?」 『ただ、都を襲ってるだけじゃろう…それが我ら"鬼"の使命なのじゃからな!!』 重い金棒の一撃が、地を打った。 地は窪み、亀裂が一直線にテイルのバイクへ走る。 フェアリーテイラーを駆り、一気に仕留めようと加速したが、亀裂にタイヤをとられバイクは転倒した。 「うわ!?くそ、あの金棒、こんな使い方もできるのか…意外と器用なやつだな!!」 『無駄口を叩いとる暇があるのか?若造め!!』 「ウッ…ガハッ!?」 起き上がったテイルの前には、金棒を構えたドールが立っていた。 その金棒はテイルの胸部にクリーンヒット、吹っ飛んで商店街の出口のゲートを破壊した。
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